この記事では車庫証明の提出書類の一つである使用承諾証明書の取得方法を解説していきます。
本記事を読み進めると以下の内容を把握することができます。
- 使用承諾証明書の基本概要
- 使用承諾証明書の取得の流れ
- 駐車場の賃貸借契約書で代用する方法
使用承諾証明書とは?
車庫証明申請の提出書類の一つに使用承諾証明書というものがあります。
この書類は「申請者が保管場所を使用する正当な権限を持っていること」を警察に証明するために提出します。
申請する保管場所の所有者が自分以外の人である場合は、たとえ所有者が親や配偶者であっても提出する必要がある書類です。
※夫婦や兄弟姉妹との共有地であっても使用承諾証明書が必要です。
※東京都では夫婦の共有地は使用承諾証明書ではなく自認書に夫婦で連署して提出します。
この使用承諾証明書は書き方自体は簡単なので、家族など自身と近い関係の人が所有する保管場所を使用する場合は苦労することなく取得することができます。
しかし、月極駐車場など全くの他人の所有する保管場所を使用する場合は、大家さんに連絡を取ったり郵送でのやり取りをするなどして使用承諾証明書を入手する必要があります。
本記事では、使用承諾証明書取得の手順や注意点などを詳しく解説していきます。
使用承諾証明書の入手方法
こちらの画像は使用承諾証明書の一般的な様式です。
記入する項目は多くないので作成自体は簡単です。
※都道府県によって記入項目に違いがある場合があります。
書類は警察署で入手するか、インターネットでダウンロードして印刷して使用することができます。
※各都道府県の解説記事内にダウンロードリンクを設定しております。
自認書と使用承諾証明書の一般的な書き方は以下の記事で解説していますが、独自の様式を採用している都道府県の使用承諾証明書の書き方については都道府県別の記事内で解説しています。
誰に頼めばいいの?
使用承諾証明書を発行するのは駐車場の所有者または委託を受けた管理者です。
わかりやすく言えば、土地のオーナーか不動産管理会社等が発行する書類ということになります。
どちらが作成してくれるかは確認しないと分からないので、駐車場を契約したときにやり取りした相手に連絡して「車庫証明の使用承諾証明書が欲しい。」と伝えましょう。
不動産会社の多くは、使用承諾証明書の作成に慣れていますので連絡をすれば一連の流れを説明してもらえるはずです。
事務所に来てくださいと言われる場合もあれば、郵送でのやり取りになる場合もあります。
近所の方が所有する空地を貸してくれているような場合は、相手も慣れていないことが多いので事前に書き方を調べた上で連絡するとスムーズです。
お金は掛かるの?
使用承諾証明書の発行手数料はかかる場合とかからない場合があります。
不動産管理会社の場合は手数料が必要な場合も多いですが相場は大体1000円~5000円くらいです。
ただし、なかには月額賃料の1カ月分という形で発行手数料を取るところもあるようなので、都市部では高額になるケースも考えられます。
あまりにも高額な手数料を請求された場合は、後述する使用承諾証明書の代わりに賃貸借契約書を提出する方法を検討してみてください。
書類のどの部分を書いてもらえばいいの?
基本的には全ての項目を相手に書いてもらうつもりで連絡すれば大丈夫ですが、全て書いてくれるとは限りません。
所有者または委託を受けた管理者に必ず書いてもらう必要がある部分は、書類の中段辺りにある「上記のとおり自動車の保管場所としての使用を承諾したことを証明する。」の文言の下の部分です。
この文言の下にある項目(書類作成日、郵便番号、住所、氏名、電話番号)は必ず書いてもらってください。
使用者の住所、氏名、契約期間などは申請者自身で記入しても基本的には受理されますが、訂正は書類作成者である所有者または管理者でないと認められない都道府県もありますのでご注意ください。
共有地の場合
共有地の場合は、共有者全員の住所、氏名を記入してもらう必要があります。
人数が少ない場合は余白部分に記入し、多い場合は別紙に記入して提出しましょう。
東京都では夫婦の共有地の場合のみ、使用承諾証明書ではなく自認書に夫婦で連署して提出するというルールになっています。
秋田県では自己と他人との共有地の場合は、自分で作成した自認書と共有者が作成した使用承諾証明書の両方を提出する必要があります。
その他の注意事項
駐車場オーナーから委託を受けた管理者(不動産会社など)に使用承諾証明書を発行してもらう場合、管理者から証明書と一緒に委任状のコピーを渡される場合があります。
この委任状は「駐車場オーナーが管理者に使用承諾証明書の発行を委任している」ことを証明する書類なので、この書類が添えられている場合は使用承諾証明書と一緒に警察署に持って行きましょう。
使用承諾証明書の代わりに賃貸借契約書を提出する
使用承諾証明書の代わりに駐車場の賃貸借契約書のコピーを提出して代用できる場合があります。
賃貸借契約書の記載内容について法律的な要件はありませんが、都道府県によっては以下のような内容が記載された契約書であること求めているところもあります。
- 契約書に保管場所の位置が記載されている
- 契約者の住所と氏名が記載されている
- 契約期間が記載されている
- 契約者の住所と氏名が車庫証明の申請者と一致している
以上の4つを満たしていればほぼ間違いなく代用することができますが、都道府県ごとにルールが違うため事前に申請先の警察署に確認することをおすすめします。
一部の要件を満たさない契約書で代用可能か否かについては、例えば引越しと同時期に駐車場を契約したが、契約書に記載されている住所は引越し前の住所になっていて現在の申請者住所と異なるケースなどがありますが、その場合に契約書だけで代用可能か追加書類を添付することで代用可能になるのか各都道府県警及び警察署の判断は異なります。
契約の残存期間が少ない場合なども、拒否されることや追加の資料の提出を求められることがありますので詳しくは警察署に確認してみてください。
また、警察庁の通達によると、駐車場の領収書でも代用可と書かれていますので契約書の記載事項が不十分な場合は領収書の提出も検討してみてください。
なお、契約の残存期間(駐車場の使用期間)は申請日から最低1カ月以上が必要と言われています。
駐車場の契約が切れた後にも有効な車庫証明書を交付するわけにはいかないためこのような対応になっていますが、残存期間が少ない場合は契約を更新したことを確認できる資料を追加提出することで基本的には使用権原があると認められます。
Q&A
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